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貿易戦争への懸念

2018年3月27日

2月前半に1350ドル台まで上昇した金相場ですが、その後は米連邦準備制度理事会(FRB)が3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げに踏み切るとの見方から売り優勢の展開が続き、2月末にかけてそれまでの上昇分をすっかり失うこととなりました。

3月に入ると、米国で保護主義的な動きが改めて目立ってきました。トランプ大統領が鉄鋼・アルミニウムに追加関税を課す方針を表明し、世界的な貿易戦争につながりかねないとの懸念が拡大。さらに、同大統領との対立が取り沙汰されていたコーン国家経済会議委員長の辞任、ティラーソン国務長官の解任が発表されるなど、米国の政治不安を背景に安全資産として金が選好され、相場を下支えする格好となりました。

その後も政治不安は解消するどころか、2016年の米大統領選でトランプ陣営のデータ分析会社が、フェイスブック利用者5000万人超の個人情報を不正に入手していたとのニュースが報じられ、株価が急落。ここでも金には安全資産としての買いが入り、堅調に推移しました。

そうして迎えた3月20-21日のFOMCでは、追加利上げが決定されたものの、年内の利上げ想定回数はこれまでの3回に据え置きとなり、パウエルFRB議長の初会見も予想されたほどタカ派的な内容ではなかったことからドル安が進み、金相場を押し上げました。

FOMC後は、トランプ大統領が中国に対する制裁関税を課すとの方針を打ち出し、米中の貿易摩擦が激化することへの懸念から株価が急落。さらに、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)の解任も発表され、リスク回避の動きが強まる中で金は1350ドル近辺まで上昇しています。

幸いにも世界経済の成長は続いていますが、政治不安は米国に限らず至るところに見られ、好調な経済が危うい政治に引っ張られて転ぶようなことがないよう祈るばかりです。

さて、当コラムは今月をもちまして終了させていただきます。長年にわたりご愛読いただき、誠にありがとうございました。

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