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正常化への道

2017年10月16日

9月の貴金属相場は一転して下落基調となり、パラジウム以外は8月の上昇分をほぼ失う格好となりました。北朝鮮問題は膠着状態となりましたが、良好な米経済指標を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による12月の利上げ観測が再燃し、売り優勢の展開が続きました。

9月19、20 日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、大方の予想通り政策金利は据え置きとし、10月からバランスシートを段階的に縮小していくことを決定しました。ただ今後の政策金利見通しで、FOMCメンバーの多くが年内あと1 回の利上げを想定していることが明らかとなったため、ドルが主要通貨に対して上昇。これを受けて金・銀・プラチナは下げ幅を拡大しました。

そうした中、9月末にかけて金に対するプラチナのディスカウントは一時約370 ドルと過去最大を記録。また、旺盛な需要を受けてパラジウムが930 ドル近辺まで上昇したことにより、16 年ぶりにプラチナ・パラジウムの価格が逆転しました。

さてここからは、9月のFOMCで決定されたFRBのバランスシート縮小計画の概要を見ておきたいと思います。FRBは2008年11月から2014年10月までの量的緩和(QE1、QE2、QE3)により、米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を大量に買い入れてきました。保有する債券の規模は4.2兆ドルにまで膨れ上がり、そのうち米国債が2.3兆ドル、MBSが1.8兆ドルとなっています。

バランスシートの縮小は、保有債券を一挙に売却するわけではなく、満期を迎えた債券への再投資を停止するという方法を取ります。削減額は月間100億ドル(米国債60億ドル、MBSなど40億ドル)からスタートした後、段階的に引き上げられ、1年後には月間500億(米国債300億ドル、MBSなど200億ドル)ドルの削減を予定しています。

縮小計画は今年6月のFOMCですでに提示されていたため、サプライズはありませんでした。しかし、大規模な量的緩和が「非伝統的金融政策」と言われたように過去に例のないものでしたので、その出口戦略を実行するのも初めてのことです。なお、どの程度の規模までバランスシートを縮小するかはまだ明らかになっていません。さらにFRBの人事も不透明な中、金融政策正常化の取り組みが滞りなく進むかどうか、注意して見ていきたいと思います。

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