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金融引き締めと政治リスクが交錯

2017年7月14日

今回は金相場を中心に、2017年前半の動向を振り返ってみたいと思います。年初と6月末の価格を比較すると、金+7.1%、銀+2.1%、プラチナ-1.1%、パラジウム+19.2%でした。

昨年11月の米大統領選以降続いていた米長期金利の上昇やドル高が一服する中、1140ドル台でスタートした金相場は、1月半ばに1210ドルまで上昇。その後、1月20日にドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領に就任し、同氏の掲げる経済政策への期待感から株高が進んだため、1190ドルに下落しました。

1月末にかけては、移民を規制する米大統領令をめぐって混乱が拡大したほか、欧州の政治的不透明感を背景に安全資産としての買いが入り、再び上昇に転じました。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ観測が後退し、ドル安が進んだことも相場を押し上げ、2月後半には1250ドル台と約3カ月半ぶりの高値を付けました。

2月末のトランプ大統領による議会演説を無難に通過し3月に入ると、イエレン議長をはじめFRB高官が相次いで早期利上げを示唆したことで金は急落し、一時は1200ドルの節目を割り込む場面も見られました。同月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが決定されたものの、今後の利上げペースについては警戒されていたほどタカ派的な姿勢ではなかったことから、1220ドル台に反発しました。

その後も、トランプ政権による米医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の撤回を受けて、大型減税やインフラ投資といった政策の実現性も疑問視され、金は安全資産としての買いが継続。4月には米軍のシリア攻撃や北朝鮮情勢の緊迫化などを背景に1280ドル台まで上昇しました。

5月初旬のFOMC後は、6月利上げへの警戒感が強まったことで売り優勢の展開となり、1210ドル台に下落。仏大統領選で中道派のマクロン氏が勝利し、投資家のリスク回避姿勢が後退したことも圧迫要因となりました。その後は、トランプ大統領による連邦捜査局(FBI)長官解任やロシアへの機密情報漏洩疑惑、北朝鮮のミサイル発射などを受けて1260ドル台に上昇しました。

6月には、ロンドンでのテロ事件や中東諸国のカタール断交で地政学リスクへの警戒感が強まったことに加え、英国の総選挙や前FBI長官の公聴会を前に買いが膨らみ、1290ドル台と年初来高値を更新。その後、同月のFOMCにおける利上げ決定は予想通りであったものの、イエレン議長の会見内容がタカ派的と受け止められ、ドル高が進んだことで1250ドル台に急落。また、米国に続き欧州でも金融政策が引き締め方向に転じるとの見方が強まる中、欧米の長期金利上昇を嫌気した売りに押され、1240ドル台となりました。

銀・プラチナは概ね金に連動して推移しました。ただ、プラチナは需要の伸び悩みに加え、南アフリカの政情不安に伴う通貨ランド安に圧迫され、金との価格差は約300ドルと大幅な逆ザヤが継続。パラジウムは他の3品とはやや異なる値動きとなっており、供給逼迫を背景に一時は900ドル台と約2年半ぶりの高値を付けました。

今年後半についても、金融引き締め傾向と政治リスクとの綱引きが続きそうです。

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