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パラジウム高騰

2017年6月12日

足元の需給逼迫を反映して、パラジウムが年初来高値を更新中です。プラチナとの価格差は50ドル前後にまで縮小しました。今回は先月発表された英ジョンソン・マッセイ社のレポートを元に、まず昨年のパラジウム市場の概要を見てみましょう。

2016年は4.9トンの供給不足でした。自動車触媒向け需要は過去最高を記録したものの、ロシアからの供給増加、産業用需要の減少、投資分野の大幅な売り越しにより、供給不足の幅は縮小しました。2017年は供給不足が拡大するとの見通しが示されています。

2016年の供給は210.4トン(前年比+4.8%)

  • 南アフリカの供給は減少したものの、ロシアの供給が86.3トン(+14.0)と急増。
  • 最大の生産者であるロシアのノリルスク・ニッケル社は生産工程の再編成を進めている途中であるため生産量は減少したが、在庫販売が増加。

2016年の総需要は292.71トン(+2.1%)

  • 自動車触媒向けは246.8トン(+3.7%)と過去最高を記録。好調な中国が需要を押し上げた。
  • 宝飾品は減少傾向に歯止めがかからず、5.9トン(-15.7%)。30年来の低水準。
  • 産業用は60.1トン(-3.7%)。
  • 投資は20.1トン(-2.0%)と前年に続き大幅な売り越し。年後半の価格高騰時にETFで利益確定の売りが膨らんだ。

リサイクルは77.4トン(+3.0%)

  • 自動車触媒のリサイクルが増加。
  • リサイクルを除いた2016年の純需要は215.3トン(+1.7%)。

2017年は供給不足が拡大

  • 供給は鉱山生産の減少とリサイクルの増加により、ほぼ横ばい。
  • 自動車触媒向けの需要はガソリン車生産の拡大と排ガス規制の強化により、過去最高を更新。
  • 宝飾品は減少。産業用は堅調。
  • 投資部門は3年連続の売り越しとなる見通しだが、2015年、2016年と比べて売り越し幅は縮小。
  • 自動車触媒など堅調な実需と投資部門の売り越しが縮小することから、大幅な供給不足となる可能性がある。

現在のパラジウム価格の高騰は、鉱山の生産トラブルや自動車触媒などの突発的な需要の発生といったものではありません。2006年11月にプラチナで発生した事例( http://www.ishifuku.co.jp/market/price/soba/2006/20061204_47.html )に近いのではないかと思います。

プラチナの場合は比較的短期で収束しましたが、今回のパラジウムについては、いまだ混乱の渦中にあります。パラジウムは構造的な供給不足となっていますので、少なくとも中長期的な強気の見方に変化はなく、事態の推移によってはそうした見方が一層強化されるかもしれません。

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