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政策の実現性

2017年4月11日

先月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、大方の予想通り追加利上げが決定されました。市場の関心が集まっていた今後の利上げペースについては、(今回の利上げを含めて)年内3 回という見通しを維持。この結果を受けて米長期金利の低下とドル安が進み、1200ドル近辺で推移していた金は1220 ドル台に急反発となりました。

FOMC後は、米医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の下院採決をめぐって混乱が広がる中、株価の急落で金には安全資産としての買いが入り、1240 ドル台に上昇。結局、トランプ政権はオバマケア代替法案の可決は困難と判断し、採決直前に同法案を撤回しました。

オバマケアの見直しは、トランプ大統領が選挙期間中から掲げてきた主要な公約の1つでした。それが頓挫したとあって、今後期待される大型減税やインフラ投資といった政策も実現できないのではないかとの懸念が強まり、株安・金利低下・ドル安が進んだことで金は1260 ドル台まで上昇しました。

3月末から4月初めにかけては、良好な米経済指標を受けて1240 ドル台に下落。しかし6、7日には、フロリダでの米中首脳会談という重要イベントの最中に米軍のシリア攻撃が伝えられ、再び安全資産として金が選好されました。3月の米雇用統計の下振れも買いを促し、一時は1270ドルと約5カ月ぶりの高値を付けました。買い一巡後は1250ドル台に下落したものの、欧米の政治リスクや中東・北朝鮮情勢の緊迫化など、先行き不透明感は燻り続けています。

最後に、金との逆ザヤが2年以上続いているプラチナについて触れておきたいと思います。前述のような世界各地での地政学的リスクの高まりは、ユーラシア・グループが年初に発表した「2017世界10大リスク」で描写されており、10大リスクの中にはプラチナの主要生産国である南アフリカも挙げられています。3月には、その南アフリカでゴーダン財務相の更迭という政治的な混乱が生じました。

財政規律を重視するゴーダン氏は南アフリカ経済安定の要として投資家からの信頼も厚い人物でしたが、かねてからズマ大統領との確執が伝えられていました。今回、同氏の更迭に至ったことで通貨ランドが急落。金が上昇する局面では総じてプラチナもつれ高となる傾向が見られますが、足元ではこのランド安がプラチナの圧迫要因となっていることから、金との逆ザヤは再び300ドルに拡大しています。

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