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インド宝飾業者の抗議

2012年4月 9日

年初からの上昇基調が一服し、3月の貴金属相場は売り買いが交錯する展開となりました。下がったところでは安値拾いの買いが入ったものの、全体としては失速気味という印象です。
米国では、前月末のバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言、雇用統計をはじめとする経済指標の改善、そして連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で景気見通しが改善されるなど、追加金融緩和への思惑が後退。
欧州では、ギリシャの債務削減に向けた債券交換プログラムに民間債権者の8割超が参加を表明し、同国の無秩序なデフォルトは回避されました。しかし、ユーロ圏の経済指標は冴えず、スペインなど南欧の債務問題への警戒感が広がり、対ユーロでのドル高が進行。
中国では、2012年の経済成長目標が引き下げられ、豪英大手資源会社は中国の鉄鉱石需要の伸びが鈍化する兆しがあると指摘。中国景気の先行き不透明感が強まったこともネガティブな材料となりました。
さらに、インド政府が金・プラチナなどの輸入関税を引き上げる方針を示したことから、世界最大の金消費国であるインドの需要減少も懸念されました。

ここからはインドの輸入関税引き上げについて、少し詳しく見ていきたいと思います。
インド政府は3月16日、新年度予算の中で金地金や金貨、プラチナなどの輸入関税を引き上げることを発表。しかし、宝飾業者はこれに反発し、全国各地でストライキやデモに発展しました。当初ストは3月17日〜19日の3日間だけ行われる予定でしたが、その後3週間に渡って継続し、この間インドの金輸入はほぼ停止状態となりました。
輸入関税の引き上げは今年に入って2度目であり、しかも前回1月17日から2倍に引き上げられています。輸入する宝飾業者にとっては、これ以上の負担増は「もう我慢ならん!」ということでしょう。増税を発表したPranab Mukherjee財務大臣は、インドの経常赤字が拡大した要因の一つは、「昨年金やその他の貴金属の輸入が約50%も増加したため」だと述べ、こうした状況への処置を一層強化する必要があると主張しました。

主な項目をいくつかピックアップしてみます。

  • 金地金・金貨・プラチナの輸入関税(2%→4%)
  • 上記以外の金の輸入関税(5%→10%)
  • 鉱石・濃縮液などの輸入関税(1%→2%)

また、刻印のない金宝飾品には物品税0.3%が課税され、200,000ルピーを上回る宝飾品を購入した際にも1%が課税されるようです。

インドは世界の金消費需要の約30%を占めており、世界最大の金輸入国でもあります。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると昨年のインドの金輸入量は969トンでした。今年第1四半期の輸入量は125トン程度(前年同期は283トン)にとどまると予想されています。

4月に入り、Pranab Mukherjee財務大臣は刻印の無い金宝飾品への課税提案を取り下げると述べました。これを受けて宝飾業者は、先月17日から続いていた行われたストを4月7日に中止すると宣言し、翌8日から営業を再開することとなったようです。現在インドではAkshaya Tritiyaの祭りに伴い、婚礼シーズンのピークを迎えています。金購入も活発になりますので、宝飾業者にとっては大事な時期です。ただ、(財務大臣の言葉どおり)課税提案が取り下げられなかった場合は5月11日に再びストを行うとの声もあり、不透明感が残っています。

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