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金輸出国、日本

2012年3月12日

東日本大震災の発生から1年が経過しました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災地の1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

2月の貴金属相場は前月からの流れを引き継ぎ、上昇基調となりました。ギリシャへの第2次支援が決定されたほか、対ユーロでのドル安や世界的な株高、米国の景気回復期待、緊張の続く中東情勢、原油高などを背景に金は一時1,800ドル目前まで上昇。プラチナは南アの鉱山ストも買いを誘い、月後半には1,700ドル台を回復する日も見られました。年末から年初にかけては金がプラチナを150ドル以上上回っていましたが、それが40ドル程度にまで狭まってきました。ただ、月末にはバーナンキFRB議長の議会証言によって追加金融緩和への期待がしぼんだため、全般的に値を崩しています。

今回はまず、財務省から発表された昨年の貴金属輸出入通関統計を見てみましょう。この統計で扱われている貴金属の形状には、塊・棒・板・その他一次製品といった分類があり、下記の数字はそれらを合計したものです。

昨年も、金だけが「輸出>輸入」となっています。2000年以降の金を取り上げてみると、2005年までは輸出入に大きな差はありませんが、2006年には金価格の上昇を背景に輸出が増加、輸入が減少し、両者の差が一気に広がりました。

2006年は国内の投資需要(地金・金貨)がマイナス、すなわち売り越しに転じた年で、これが輸出増加につながっているのです。その後、日本では地金・金貨や宝飾品、スクラップなどの売却が活発化したことで国内の金供給が増加し、余剰分が輸出されるという状態が続いています。

先月発表されたWGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)の需給レポートによると、2011年の世界の宝飾需要は前年比3%減の1,962.9トン。大半の国で減少していますが、中国(451.8トン→510.9トン)、ロシア(66.0トン→75.1トン)は増加しています。
一方、世界の投資需要(地金・金貨)は前年比24%増の1,486.7トン。こちらは大半の国で増加しており、前年から減少しているのは米国(106.5トン→79.9トン)、日本(-40.0トン→-45.2トン)、エジプト(2.4トン→2.2トン)だけです。
日本では昨年後半にかけて売却の動きが活発となりました。WGCのコメントでは2012年1月から適用される税制改正を控えての駆け込みや、相場が4,000円を上回って推移していたことがその背景として挙げられています。最後に余談ながら、先月は海外から貴金属アナリストの方々が来社され、何度かミーティングを行いました。この税制改正とそれに伴う駆け込み売買については、彼らのように定期的に来日する、いわば「日本通」のアナリストの間では既によく知られた話題となっていました。

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