プラチナ・ウィーク2010
2010年6月14日
今年もロンドン・プラチナ・ウィークに出席して参りました。
これは英ジョンソン・マッセイ社のランチの際に撮った写真ですが、今回のデザインは近年の貴金属市場における中国の存在感の高まりを反映したものとなっていました。

2009年のプラチナ・パラジウム市場の特徴は、(1)プラチナ需要のうち、減少傾向にあった宝飾用が需要のトップになったこと、(2)プラチナ・パラジウム両市場で投資需要が増加したこと、という2点が挙げられます。
では、同社年次レポート『PLATINUM 2010』の内容を見てみましょう。
プラチナ
2009年は8.9トンの供給過剰(2008年は6.8トンの供給不足)でした。

2009年の総需要は219.0トン(11.9%減)
- 自動車触媒需要は69.4トン(39%減)。
- 工業需要は29.6トン(33.7%減)。
- 宝飾需要は93.6トン(46.1%増)。中国での需要が約65トン。
- 投資需要は20.5トン(8.9%増)。ETFが大きく増加。
2009年の供給は184.1トン(0.3%減)
- 南アは140.9トン(0.3%増)。新鉱山の生産増加や2008年に積み上げた在庫の売却が、不採算鉱山の操業停止を相殺。
- ロシアは24.4トン(2.2%減)。
リサイクルは43.8トン(23.2%減)。
- リサイクル分を除いた2009年の純需要は175.3トン(8.5%減)。

注:数字が小さいのでグラフに表示しきれていませんが、2005年の投資需要は0.5トン、2006年はマイナス1.2トンです。「買いよりも売りの方が多かった」年は、投資需要が「マイナス」で表されます。
2010年のプラチナはほぼ需給が均衡
- 自動車触媒や工業需要の回復と投資需要の増加がその背景。
- 宝飾需要は昨年ほどではないが、堅調。
- 今後の供給は緩やかに増加する見込みだが、南アは引き続き問題(コスト・安全性など)を抱えている。
- 今後6カ月間の予想レンジは1600−2000ドル。
パラジウム
2009年は23.6トンの供給過剰(2008年は19.8トンの供給過剰)でした。

2009年の総需要は241.7トン(6.3%減)
- 自動車触媒需要は126.0トン(9.3%減)。
- 歯科は19.1トン(1.5%減)。
- 工業需要は49.6トン(5.8%減)。
- 宝飾需要は25.3トン(17.3%減)。中国で大きく減少、プラチナ価格の下落でプラチナにシフトした。
- 投資需要は19.4トン(48.8%増)。ETFは前年比42.7%増加の16.4トン。
2009年の供給は220.8トン(2.9%減)
- ロシアは83.2トン(0.6%減)。うち国家在庫売却は29.9トンで、底が近いとの見方も(ロシア国家在庫の売却を除いて考えると、ここ2年は供給不足となっている)。
- 南アは73.7トン(2.5%減)。
リサイクルは44.5トン(11.5%減)
- リサイクル分を除いた2009年の純需要は197.2トン(5.0%減)。

2010年のパラジウムは供給過剰(2009年よりは小幅に)
- 自動車触媒需要 や工業需要は、特に中国での自動車販売台数の増加により回復。
- 宝飾需要は不透明。
- 投資需要は増加。2010年1月に米国で上場されたETFが、投資分野の見通しを大きく変えた。
- 鉱山供給は緩やかに増加、ロシア国家在庫からの売却は2009年(約30トン)とほぼ変わらず。
- 今後6カ月間の予想レンジは475-700ドル。
毎年、あるディナーでは余興として1年後のプラチナ・パラジウムの価格を予想します。
私が昨年立てた予想価格はプラチナ1,320ドル、パラジウム238ドル。結果はそれぞれ1,681ドル、507ドル(5/18午後のロンドン・フィキシング)と、どちらも予想より大きく上昇していました。
今回の2011年に向けた予想ではプラチナ1,890ドル、パラジウム535ドルとしました。さて来年は……
これまでのプラチナ・ウィークの記事はこちらをご覧ください。
