続・真夏の悪夢 〜大荒れ〜
2008年9月 8日
ウェザー・リポート
北京五輪では、開・閉会式を晴天にするため、人工降雨(消雨)が行われたそうですね。「ヨウ化銀」を含んだロケットを飛ばし、別の場所で前もって雨を降らせたとのことです。
今年の春頃から(価格の上下はありましたが)銀への関心が高まっている印象があり、自分では「もしかして、五輪の消雨用に銀が買われているッ!?」などと想像をふくらませていました。
ヘビー・ウェザー
さて、先月は商品市場全体で価格に大きな動きがありました。昨年の8月に顕在化したサブプライム問題。一年たった今も金融不安は消えず、世界的な景気後退の兆しが現れてきたことで、過熱気味だった貴金属相場は下落に転じ、昨夏に続く大荒れの夏となりました。
特に、自動車販売台数の低迷が伝えられたことにより、排ガス浄化の触媒に使用される白金系の下げがきつく、今年の上昇分はすっかりなくなりました。ロジウムにいたっては、6月半ばの10,000ドル超えが4,000ドルを割り込む日も見られ、毎日何百ドルと値を下げる様子に呆気にとられてしまいました。価格が相場のピークから20%以上下がると弱気(下げ)相場入りと言われますが、8月の貴金属市場はその言葉通り「売りが売りを呼ぶ」日が続きました。
しかし、価格が下がれば……
需要サイドには買い時と見る動きもあります。例えば、短期間での急激な金価格の下落に伴い、米イーグル金貨の需要が急増。米国造幣局は、過去に例のない需要で売り切れとなった同金貨の一部を販売中止にしたほどです。さらに南アのクルーガーランド金貨も在庫切れとのニュースがありました。
一方、銀貨には一足早く同様の事態が起こっていました。今年の3月頃、それまで出遅れ感のあった銀の価格が大きく上がった時期に、米イーグル銀貨の需要が急増し、販売業者に出荷割り当てが行われました。この時期に、有名な投資家さんの「これからは銀だッ!」という発言もあり、今年の春頃から(「五輪の消雨用」ではなく)投資対象としての銀に関心が集まっているようです。当社の店頭でも、銀を買われる方、また銀についての問い合わせが機を同じくして増えています。
ところで、金貨と銀貨で需要が増えた時期が異なるのはなぜでしょうか。銀は他の貴金属と比較すると割安感があるので、先高の見方が出ると買いが活発になる、金は中長期的に堅調との見方があり、価格が下がったところで買われる。推測ではありますが、こうした心理が金貨と銀貨の対照的な動きに反映されているのかもしれません。
